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デジタル技術活用

安全に火を学ぼう!教材開発の背景

安全に火を学ぼう!火学®VR

炎の効用 金城学院大学との共同研究

火を扱うお手伝い経験は子どもの自信形成につながっています1)

小学校高学年の子を持つ親と若年者を対象とした調査から、火を扱うお手伝い経験は、子どもの自信形成に繋がっていることがわかりました。

火起こし手段が全く使えない人の割合
火起こし手段が全く使えない人の割合
東海三県在住男女11,131名へのWEB調査
(2018.2、東邦ガス調べ)

1)河原他.子どもの調理実習における主体性発揮には、家庭における「火」を扱うお手伝い経験が強く影響する.日本家政学会研究発表要旨集,2018,70,113.

家庭環境の変化 金城学院大学との共同研究

家庭での火との接触機会の減少は子どもの火に対する認知機能を育みづらくしています

  • 近年、火起こしができない大人が増加しており、日常的に火との接触機会の少ない若年女性は、ガスこんろ使用時に不安全行動をとりやすことがわかってきました2)。火が扱えないまま成長すると、災害などにより電気が使えなくなったとき、料理をしたり、暖をとったりできなくなることが予想されます。
  • 母親は子どもの火を扱うお手伝いが重要と認識しつつも、学校での教育に期待しています3)

2)清水他.アイトラッキングを活用した加熱調理中の視線分析.人間工学,2018,54,2F3-2-2F3-2.
3)清水他.家庭での火を扱うお手伝いに関する調査:小学校5、6年生の子どもをもつ母親を対象として.金城学院大学論集自然科学編,2019,16(1),11-16.

学校 家庭

学校教員の課題認識 金城学院大学との共同研究

実生活での火の扱い経験や授業コマ数減少による教育が不足してきています

学校教員は、児童が火を扱うことを有益な教育であると捉えつつも、調理実習のコマ数が足りず、学校設備は家庭のものとも異なってきており、安全な授業運営をしていくことに限界を感じています4)

4)清水他.学校教育における火の扱いの現状:小学校の設備と小学生が火を扱う機会についての教員調査.食生活研究,2019,39(6),328-337.

調理実習の学年別年間コマ数
調理実習の学年別年間コマ数

課題解決のための必要条件

課題解決のため次のポイントを念頭に置いて教材を検討しました。

  • 子どもがコンテンツに興味を持ち、安全に繰り返し体験ができること
  • 学校での学びを家庭で活かせる体験型教材にすること
  • 従来の「講義⇒調理実習」の流れを崩さず組み込めるものとすること
  • 火に不慣れな子でも安心して体験できること

工夫したポイント

スタート直後の画面
スタート直後の画面
強火のCG
強火のCG
ヘッドマウントディスプレイ
(HTC VIVE)
ヘッドマウントディスプレイ(HTC VIVE)
  • VRを採用し、熱源がない教室でも体験可能です。
    • - 背景は実写のダイニングキッチン
    • - 実物と同じ9段階の火力調整
    • - 調理道具の動かし方、火力、加熱時間でオムレツの仕上がりが変化
  • VR映像がミラーリングできるハードウェアを採用し、視聴者でも追体験が可能です。
  • インタラクティブコンテンツとし、自分のペースで工程を進行させ、楽しみながら体験できます。
  • 結果を数値化し、繰り返し体験により火の取扱いに関する知識とスキル習得を狙います。
    • - 料理レベル・・・達人級、上級、中級、初級、未熟の5段階
    • - スコア・・・換気、安全行動、出来栄えの観点で採点(100点からの減点方式)
  • 家庭科学習指導要領・解説に準拠し、通常学校では行えない「換気」を工程に追加しています。
  • 市場普及品のスイッチ&レバー式のガスこんろを採用し、家庭での実践につなげます。

火学®VR工程

周囲の安全確認をする
換気をする
フライパンを置く
点火する
火力調整をする
フライパン温度を確認する
卵液を入れる
かき混ぜ、成形する
消火する
盛り付ける
採点・判定

他教材との差別化

安全に火を学ぼう!火学 VR