グリーン/トランジション・ファイナンス
東邦ガスグループ(以下、「当社グループ」)は、「お客さま・株主さま・従業員は三位一体で、共存共栄と公共奉仕を目指す」という創業の精神のもと、様々なステークホルダーや地域の皆さまに支えられながら歩んできた結果、2022年6月に創立100周年を迎えることができました。当社グループは、この節目の年にあたり、これからの社会像を思い描く中で、2050年におけるカーボンニュートラルの実現を、当社グループの今後の持続的成長に向けて取り組むべき重要な課題と認識しています。
そうした中で、このたび当社は、将来の社会を見据えたグリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワーク(以下、「本フレームワーク」)を新たに策定いたしました。本フレームワークに基づく資金調達を行うことで、2050年カーボンニュートラル実現に向けた戦略を着実に実行に移します。
なお、本フレームワークに係る第三者評価を取得するにあたって、経済産業省の「令和4年度温暖化対策促進事業費補助金(クライメート・イノベーション・ファイナンス推進事業)」の補助金交付対象となることについて、指定外部評価機関であるDNV ビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社は、一般社団法人 低炭素投資促進機構より交付決定通知を受領しています。
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グリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワーク
当社は、2050年カーボンニュートラル実現に向けた資金調達の枠組みとして、「グリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワーク」を策定しました。
適格性に関する第三者評価
当社はグリーン/トランジション・ファイナンスの実行にあたり、「グリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワーク」を策定し、各種原則【国際資本市場協会(ICMA)の定める「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック(Climate Transition Finance Handbook)2020」及び「グリーンボンド原則(Green Bond Principles)2021」、金融庁・経済産業省・環境省の定める「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針 2021年5月版」並びに環境省の定める「グリーンボンドガイドライン2022年版」等】との適合性について、第三者評価機関であるDNV ビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社より、セカンド・パーティ・オピニオンを取得しています。
トランジションボンド概要
当社は、「グリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワーク」に基づき、以下の通り、当社初のトランジションボンドを発行します。
銘柄 | 第47回無担保社債(トランジションボンド) |
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発行額 | 100億円 |
年限 | 10年 |
利率 | 年0.639% |
条件決定日 | 2022年11月17日 |
発行日 | 2022年11月25日 |
主幹事証券会社 | 大和証券株式会社(事務) 野村證券株式会社 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 みずほ証券株式会社 |
ストラクチャリング・エージェント※1 | 大和証券株式会社 |
第三者評価機関 | DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社 |
- 「ストラクチャリング・エージェント」とは、グリーン/トランジション・ファイナンス等のフレームワークの策定やセカンド・パーティ・オピニオンの取得に関する助言等を通じて、グリーン/トランジション・ファイナンス等の実行支援を行う者のことです。
関連プレスリリース
資金使途概要
メタネーション実証試験(知多LNG共同基地)※クリーンエネルギー製造拠点化
知多市と連携し、バイオガス由来のCO2を活用したメタネーション実証試験の取り組みです。知多市南部浄化センターで下水汚泥処理により発生するバイオガス由来のCO2と、LNG冷熱発電等による電力を用いて製造する水素を原料としてメタネーションを行い都市ガス原料として利用するもので、地域資源の有効活用に資する取り組みです。
メタネーションによって合成されたメタン(e-methane)を都市ガス原料として利用するのは国内初となる見込みです。将来的にはメタネーション設備の大規模な社会実装により、ガス自体の脱炭素化を目指します。

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水素製造プラント(知多緑浜工場)※クリーンエネルギー製造拠点化
カーボンニュートラルに資する水素サプライチェーン構築に向け、当社の知多緑浜工場(愛知県知多市)に天然ガスを原料とした水素製造プラントを建設します。当社は、水素をガス・電気と並ぶエネルギーの軸として位置付け、サプライチェーン構築に向け、早期に当地域における水素サプライヤーとしての地位を確立することを掲げており、第一歩として、まずは2024年までにプラントを建設して水素供給を開始し、その後地域の水素需要の拡大にあわせて、規模を拡充する予定です。
製造時に発生するCO2については、当面はクレジットの活用により相殺しつつ、分離回収・利用も視野に計画しています。また、将来的には、知多緑浜工場を海外輸入水素の受入拠点とすることも目指します。

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系統用蓄電池(津LNGステーション跡地)
再生可能エネルギーの普及促進に寄与することを目的として系統用蓄電池を導入するもので、東海3県では初の事例となります。
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて導入が進む再生可能エネルギーは、時間帯や天候、季節により発電量が大きく変動し、電力需給に影響を及ぼす可能性があるため、これらの変動に対応できる調整力として系統用蓄電池に対する期待が高まっています。当社は、保有不動産である津LNGステーション跡地に系統用蓄電池を設置し、自社の電気事業における調整力として活用するとともに、需給調整市場等の各種電力市場での取引を通じ、電力の安定供給に貢献し、再生可能エネルギーの普及促進を図ります。
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台湾洋上風力発電事業(フォルモサ1)
当社が㈱商船三井および北陸電力㈱と3社共同で参画する台湾における洋上風力発電事業です。3社が共同で設立する特別目的会社(当社出資比率は37.5%)を介して、本事業の持株会社の株式を25%取得しています。
フォルモサ1は台湾における初の商用規模の洋上風力発電所(発電容量12.8万kW)であり、固定価格買取制度(FIT)に基づく台灣電力股份有限公司への20年間にわたる売電を2017年4月より開始しています。本事業への参画により、洋上風力発電分野における知見を獲得し、再生可能エネルギー事業の更なる拡大に取り組むことで、脱炭素社会の実現に貢献します。
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レポーティング
資金充当状況レポーティング
2022年11月発行の「第47回無担保社債(トランジションボンド)」で調達した資金の充当状況は以下の通りです。
資金の充当状況(2024年9月末時点)
トランジションボンド調達額 | 100億円 | |
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2024年9月末時点 合計充当額 | 100億円 | |
クリーンエネルギー製造拠点化 (メタネーション実証試験、水素製造プラント) |
31億円 | |
系統用蓄電池(津LNGステーション跡地) | 19億円 | |
台湾洋上風力発電事業(フォルモサ1) | 50億円 | |
未充当資金 | - |
充当額のうち、リファイナンスの概算額(※) | 50億円 |
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- トランジションボンドの発行から遡って3年程度以内に実施した適格プロジェクトへの支出に限ります。
リファイナンスは、台湾洋上風力発電事業(フォルモサ1)に関連する資金です。
インパクトレポーティング
2022年11月発行の「第47回無担保社債(トランジションボンド)」における資金使途としたプロジェクトの環境インパクトは以下の通りです。
メタネーション実証試験 (知多LNG共同基地) ※クリーンエネルギー製造拠点化 |
○進捗状況:2024年3月の実証実験開始以来、e-methane製造に関するデータを蓄積するとともに、本実証で製造するe-methaneは、国内で初めて都市ガス原料として利用しています。また、本実証設備について、2024年9月27日にクリーンガス証書制度(※)における「クリーンガス製造設備」の認定を取得しています。 ○製造ガス容量:6.7Nm3/h(e-methane:5Nm3/h、バイオメタン:1.7Nm3/h) (※)e-methaneやバイオガスが有する、燃焼しても大気中のCO2が増えないとみなせる価値(環境価値)を、クリーンガス証書として移転可能にする制度 |
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水素製造プラント (知多緑浜工場) ※クリーンエネルギー製造拠点化 |
○進捗状況:2024年6月の運用開始以来、水素製造プラントは継続して稼働中であり、当プラントで製造した水素は、モビリティ分野・熱分野・工業用原料など、さまざまな用途向けに供給を進めています。本取り組みにより、当地域における水素エネルギーの普及拡大に貢献するとともに、需要の拡大に合わせてプラントの規模拡充を検討していくほか、水素製造過程におけるカーボンリサイクル技術の活用についても検討を進めてまいります。 ○設備容量:水素製造能力1.7t/日 |
系統用蓄電池 (津LNGステーション跡地) |
○進捗状況:2024年9月末現在、当初計画通り2025年度の運用開始に向け、準備が順調に進捗しています。蓄電池本体は設置済みで、今後、受変電設備等の建設を進める予定です。 ○設備容量:出力11,400kW、容量69,600kWh |
台湾洋上風力発電事業 (フォルモサ1) |
〇進捗状況:運用開始済 ○設備容量:12.8万kW ○年間発電量:469GWh(2023年度) ○年間CO2排出削減量:26,388t-CO2(※) ※年間発電量および火力電源平均のCO2排出係数を基に当社が独自に算定したものです。 ※当社の出資持分相当を計上しています。 |