なぜガスコンロの火の色は「青」が正常なの?

ガスコンロの火の色が「青」が正常なのは、ガスが酸素と適切に混ざり合って完全に燃焼しているからです。ガスの燃焼は、化学反応です。ガスが十分な酸素を取り込んで燃焼すると、炭素が二酸化炭素と水に分解されます。このとき、火は約1,200℃~1,300℃という高温になり、光の波長が短い青色に発光します。これが「完全燃焼」の状態(適切な燃焼状態)です。

火の色が「赤」や「オレンジ」だと何が悪いの?

酸素の量が不足していると、ガスは完全に燃焼できず、炭素が燃え残って一酸化炭素(CO)やススが発生します。この燃え残った炭素が熱せられると、火は約800℃~900℃で発光し、光の波長が長い赤色やオレンジ色に見えるのです。これが「不完全燃焼」の状態(不適切な燃焼状態)です。不完全燃焼は、燃焼効率が悪くなるだけでなく、人体に有害な一酸化炭素が発生するおそれがあるため、ガスコンロを使用する際は火の色を意識するようにしましょう。

ガスコンロの火が赤やオレンジ色になる5つの主な原因と対処方法

火が赤やオレンジ色になる場合は、大きく分けて不完全燃焼、ガス機器部品の故障、周囲環境の影響が考えられます。これを見極めるために、まずはガスコンロの使用状況や換気状態を確認しましょう。特に不完全燃焼による赤やオレンジ色の火は、一酸化炭素の発生リスクが高まるため注意が必要です。ここでは、原因として多くあげられる5つのポイントを詳しく解説していきます。

1. バーナーキャップの汚れや目詰まり

バーナーキャップにこびりついた汚れは、燃焼に必要な空気の通り道を塞いでしまい、ガスがうまく燃え切らずに赤やオレンジ色の火を発生させる原因となります。料理の吹きこぼれや油は日常の使用で蓄積しやすいので、定期的にバーナーキャップを取り外して掃除しましょう。こまめな掃除が、良好な燃焼状態を保つための第一歩です。もし掃除をしても火が赤やオレンジ色のままである場合は、キャップ自体の劣化や故障の可能性が高いため、専門業者に相談することをおすすめします。

・バーナーキャップの正しい掃除方法

ここではバーナーキャップの汚れの安全な掃除方法をお伝えします。バーナーキャップに付着した汚れは、放っておくと火の色だけでなく火力にも影響を及ぼします。特に油汚れや吹きこぼれが固まるとこびりつきやすく、簡単には落としにくいのが厄介です。掃除の際は、ガスコンロ全体の安全を確認してから行いましょう。ガス栓をしっかり閉め、火が完全に消えていること、十分に温度が下がり触っても火傷しないことを確認したうえで作業に取りかかることが大切です。ここでは歯ブラシや中性洗剤などを使った掃除から、乾燥までの手順を見ていきます。

必要な道具(歯ブラシ、中性洗剤など)

ガスコンロのバーナーキャップを掃除する際には、歯ブラシやスポンジ、中性洗剤、ぬるま湯などを用意します。金属製のたわしなど硬い道具は、バーナーキャップの表面を傷つける恐れがあるため注意しましょう。

ステップ1: バーナーキャップを外す

まずは必ずガス栓を閉めて、火が完全に消えているか確認します。その後、バーナーキャップを持ち上げて外しますが、熱が残っていないかにも気をつけてください。火傷やケガを防止するために、軍手などを着用するとより安心です。バーナーキャップを勢いよく外すと、周りにある部品を傷つけるおそれがあるため、ゆっくり取り外してください。

ステップ2: 中性洗剤でつけ置き洗い

バケツやシンクにぬるま湯を張り、中性洗剤を適量入れてバーナーキャップをしばらくつけ置きすると、汚れが浮きやすくなります。その後、歯ブラシを使って穴や表面の汚れを優しくこすり落としてください。頑固な焦げ付きは、無理やり削らず少し時間をおいて再度こすると落ちやすいです。

ステップ3: 乾かす

洗浄後のバーナーキャップは、しっかりと水気を拭き取り、自然乾燥させましょう。水気が残ったまま装着すると、点火不良やサビの原因となるため注意が必要です。すぐにコンロを使う場合でも、完全に乾いているか確認してから装着しましょう。

2. バーナーキャップの劣化や変形

ガスコンロは高温下で繰り返し使用されるため、バーナーキャップが歪んだり、錆びたりして形が変わることがあります。キャップが正しくはまっていないと、ガスと空気の混合が不十分になり火が赤くなることがあります。目視で確認できるほどキャップが変形している場合は、新しいバーナーキャップへの交換を検討しましょう。

3. 換気不足による不完全燃焼

キッチンの換気扇を回さずに調理を続けていると、ガスコンロ周辺の酸素が不足して完全燃焼を妨げる原因となります。安全のため、ガスコンロを使う際は必ず換気扇を回しましょう。また、故障等で換気扇を回せない場合は、窓を開ける等して十分な換気を心がけましょう。もしガスコンロの使用中に目がチカチカしたり、気分が悪くなったり、いやな臭いがした場合は、不完全燃焼によって一酸化炭素が発生している可能性があります。ただちに使用を中止し、専門業者に相談しましょう。

4. 加湿器や水蒸気の影響

冬場などは加湿器を使うことが多いですが、加湿器を使用すると、水道水に含まれるミネラル分が空気中に拡散され、ガスコンロで燃焼し、化学反応によって火が赤やオレンジ色に見えますがこれは問題ありません。加湿器を止めても赤やオレンジ色の火が続く場合は、不完全燃焼を起こしている可能性が高いため、本コラムをご参考に原因を特定して改善に努めましょう。改善が難しい場合は専門業者に相談しましょう。

5. ガスコンロ本体の故障

ガスコンロ内部の部品に問題がある場合、通常の掃除や換気では対処できません。火が赤やオレンジ色の状態が長く続いたり、火力が極端に弱まったりする際は、故障の可能性が高いです。特に使用年数が10年を超えた製品は、内部の部品が劣化している可能性が高いため、早めの点検や買い替えを検討することをおすすめします。大きな異常があるまま無理に使い続けると、思わぬ事故やガス漏れのリスクを伴うため、専門家の力を借りて安全を最優先に対処してください。

自分で試しても改善しないときは?修理・交換の目安

自分でできるメンテナンスを一通り試しても赤やオレンジ色の火が続く場合は、バーナーや内部の配管に問題が生じているかもしれません。特に異音がしたり、いやな臭いが強くなるような場合は要注意ですので、専門業者への修理依頼を検討しましょう。一般的にガスコンロの寿命は、使用年数10年が目安とされており、長年使ってきたガスコンロの場合、新品に買い替えるほうが経済的メリットが高いケースもありますので、修理費用と買い替えの費用を比較することも大事です。

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まとめ

ガスコンロの火が赤やオレンジ色になるのは、不完全燃焼を起こしているかもしれないサインです。不完全燃焼の状態を放置すると、燃焼効率の低下だけでなく、一酸化炭素中毒の危険性も高まります。火が赤やオレンジ色の場合は、まずバーナーキャップの汚れや目詰まり、換気不足、加湿器の影響などを確認しましょう。簡単な掃除や換気で改善するケースも多いため、まずはご自身でできる対処法を試してみてください。ただし、バーナーキャップの変形や本体の故障が原因の場合は、専門業者に相談が必要です。特にガスコンロの使用年数が10年を超えている場合は、修理よりも買い替える方が経済的かつ安全なケースもあります。安全にガスコンロを使用するためにも、日頃から火の色をチェックし、赤やオレンジ色になっていたら放置せず、早めの対処を心がけましょう。

この記事の監修者

東邦ガスグループ修理チーム
日々、お客さまのガスコンロに関する多種多様なご相談や修理に直接携わる中で培った豊富な知識と経験に基づき、本記事の情報を構成しています。ガスコンロのトラブルで不安を感じた時、お客さまがご自身で安全に対処できるよう、そして適切なタイミングで私たち専門家にご相談いただけるよう、正確で実践的な情報提供に努めています。

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