給湯・暖房・調理機器
カビ抑制機能付き浴室暖房乾燥機の開発
1. 目的・概要
近年、共働き世帯の増加に伴い、家庭向けの商品やサービスにおいて「家事楽」がキーワードとなっています。本商品は、ご家庭で一番掃除が大変な場所である浴室の悩みの種である「カビ」の抑制に着目し、「家事楽」提案を可能とする商品として、ミストサウナ付き浴室暖房乾燥機をベースに開発しました。
当社はカビには高温のお湯に弱い性質があることに着目し、ミストサウナで得られる高温高湿空間によるカビ抑制効果の検討を開始し、浴室に存在する代表的なカビの温度、湿度、暴露時間の相関関係を解明しました。そのノウハウをベースに、2週間に1度の間隔で運転するだけでカビを抑制できる「カビガードミスト」機能をリンナイ株式会社と共同開発し、本機能を搭載したミストサウナ付き浴室暖房乾燥機の標準モジュールタイプを2021年10月、コンパクトモジュールタイプを2022年10月に商品化しました。

2. カビ抑制機能付き浴室暖房乾燥機の商品概要
(1)カビガードミスト機能について
- 浴室内の温度や湿度、暴露時間によるカビ増殖の抑制効果を調査し、最適な温度・湿度条件や運転時間を決定しました。
- 浴室内の温度や湿度とカビの増殖スピードを調査し、季節ごとに最適な運転間隔を決定しました。
カビは温度や湿度により生えやすさが異なるため、
本調査結果を踏まえ、「カビガードミスト」の季節ごとの運転間隔を下表のように決定しました。

リモコンに「カビサイン」を表示させることで「カビガードミスト」運転の使用時期をお知らせします。

(2)カビガードミスト運転の概要

(3)カビガードミスト運転の効果(付着カビ数の変化)
カビガードミスト運転を行うことで「クロカビ」の増殖を99%抑制し、その効果を持続できることを確認しました。

- 試験機器:HBD-3322KCSK-JMP
- 試験機関:NPO 法人カビ相談センター
- 試験方法:カビを室温25℃、室温90%で7日間前培養した後、胞子を試験片に接種し、浴室床面付近の壁面に設置して運転を実施。
- 対象:クロカビ(Cladosporium cladosporioides)
- 運転前:カビガードミスト運転前
- 運転後:梅雨条件にて、カビガードミスト運転187分後(ミスト67分+浴室乾燥120分)。なお、カビガードミスト運転なしは梅雨条件に静置(梅雨条件:室温25℃、湿度80%)
- 放置後:カビガードミスト運転あり、なし共に梅雨条件に14日間放置後
- 試験番号:CFCJ 委 22-045