高密度蓄熱技術



1. 研究/開発のねらい

天然ガスコージェネレーションの排熱をはじめ、低温排熱を給湯・冷暖房、保温、暖機などの熱源として時間差・空間差利用することにより、エネルギーの有効利用を図ることを目的に、小さな体積で大量の熱を貯蔵できる蓄熱材を活用した高密度蓄熱技術の開発に取り組んでいます。

潜熱蓄熱材の動作原理

図1 潜熱蓄熱材の動作原理

蓄熱材の動作原理

当社が開発している蓄熱材は、潜熱蓄熱材(Phase Change Material)と呼ばれる材料です。潜熱蓄熱材は、加熱によって固体から液体へと変化する際に熱(潜熱)を蓄え、冷却によって液体から固体へと変化する際に熱(潜熱)を放出します。

蓄熱材の特長

潜熱蓄熱材は、融解・凝固というシンプルな現象を利用しています。そのため、蓄熱装置の構成が単純で設置スペース低減効果が大きいという特長があります。

2. 研究/開発の成果

(1)小容量で大量の熱を蓄える新規蓄熱材の開発

低温領域(50~90℃)において、低コストと高密度蓄熱を実現する新規蓄熱材を独自開発しました。新規蓄熱材のスペック・特徴は以下の通りです。

素材

無毒・不燃性の食品添加物を主成分としており、安全性が高く、かつ、市場流通量が高いため安価です。

蓄熱量

例として、ガスエンジン排熱温度帯で蓄放熱可能な90℃仕様の蓄熱材では、利用可能温度80~90℃(ΔT=10℃)の条件にて、温水の約10倍の蓄熱量を達成しました。パラフィンを主成分とした既存の潜熱蓄熱材よりも、約2倍の蓄熱量を有しています。

蓄熱量の比較

図2 蓄熱量の比較

(2)蓄熱材封入技術の開発

ガスエンジンコージェネ排熱の高密度蓄熱技術においては、常温⇔95℃の温度変化に対し、4000回(10年相当)の繰り返し使用に耐える蓄熱材と封入技術を確立しました。

(3)ガスエンジンコージェネと接続した実大規模蓄熱槽の実証試験

開発した蓄熱材を充填した蓄熱槽の性能把握、および、蓄熱システムの詳細設計や運転パターンの検討を目的に、ガスエンジンコージェネと接続した実大規模蓄熱槽の実証試験を開始しました。

実証試験中の高密度蓄熱槽

図3 実証試験中の高密度蓄熱槽

(4)高密度蓄熱技術の用途開拓

当社は、新規蓄熱材の開発を進める過程で、膨大な候補材料の評価試験データベースを構築するとともに、蓄熱材の高密度な蓄熱性能を維持したまま、蓄放熱温度帯などの諸物性をチューニングする手法も確立しました。
当社が開発した高密度蓄熱技術は、コージェネ排熱利用以外の未利用熱の回収・時間差利用、種々の材料の保温、蓄熱システムの小型化・省スペース化などに適用可能であるため、適用温度帯の拡大と用途開拓にも取り組んでいます。

当社蓄熱材の適用温度帯

図4 当社蓄熱材の適用温度帯

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