「都市ガスインフラを活用したメタン熱分解による水素及び炭素材料の製造技術開発・実証」が、
環境省の「令和7年度地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業二次公募」に採択
2025年9月29日
東邦ガス株式会社
東邦ガス株式会社(社長:山碕 聡志)の提案した「都市ガスインフラを活用したメタン熱分解による水素及び炭素材料の製造技術開発・実証」(以下、本実証)が、本日、環境省の「令和7年度地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業二次公募」に採択されました。
当社は、本実証において、都市ガスの主成分であるメタンを熱分解することで水素と固体炭素を製造する技術の開発・実証を行います。触媒を用いない反応器※1を使うことで、水素製造時の副産物として高付加価値の炭素材料であるカーボンブラック※2を製造することが最大の特徴です。この過程では、都市ガスに含まれる炭素を固定することで二酸化炭素排出量を削減することに加え、カーボンブラックの外販により、水素サプライチェーン全体での収支改善に貢献します。また、既存の都市ガスインフラを使用し、都市ガスを原料として水素を利用場所で製造できることから、水素の輸送コストを抑制しつつ、大規模かつ安定的な水素サプライチェーンの構築に寄与します。
なお、本実証には、三井物産株式会社(社長:堀 健一)も参画しており、連携してカーボンブラックの市場調査や利用が見込まれる事業者への提案を行うことで、カーボンブラックの販路の確保に努めてまいります。
当社は、本実証を通じて、水素供給の課題であるコスト低減と安定供給の確保を実現することで、カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。
※1 |
メタンの熱分解による水素製造技術では触媒を用いるのが一般的ですが、副産物の炭素に一定量の触媒が不純物として混合するため、炭素純度が下がります。そこで、本実証では触媒を用いない反応器を使うことで、水素とともに高純度な炭素の製造を目指します。なお、この反応器はEKONA Power, Inc.社(本社:カナダブリティッシュコロンビア州)が製作するものです。 |
※2 |
ナノメートル単位の炭素の微粒子で、タイヤをはじめとしたゴム製品の補強材のほか、インクや電子部品の導電材など、幅広い用途に利用されています。 |
<社会実装後のイメージ>
以 上