LNG未利用冷熱を活用したCO2分離回収技術開発・実証がNEDO「グリーンイノベーション基金事業」に採択
2022年5月13日
東邦ガス株式会社
東邦ガス株式会社(社長:増田 信之)と国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学が共同提案した、「LNG未利用冷熱を活用したCO2分離回収技術開発・実証」(以下、本事業)が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)※1の「グリーンイノベーション基金事業※2/CO2の分離回収等技術開発プロジェクト」※3に採択されました。
本事業では、CO2分離回収コスト低減に向け、LNG未利用冷熱の活用により、少量のエネルギーで工場排ガス等に含まれるCO2を化学吸収法※4で分離回収する技術「Cryo-Capture®※5」の開発・実証に取り組みます。この取り組みは、回収したCO2と水素から都市ガス原料である合成メタンを製造することで、ガス自体の脱炭素化に資するものであり、将来的な社会実装を通じて、クリーンなエネルギーシステムの構築を目指します。
当社は、中期経営計画で掲げた「カーボンニュートラルの推進」を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※1 持続可能な社会の実現に必要な技術開発の推進を通じて、イノベーションを創出する国立研究開発法人。
※2 日本の「2050年カーボンニュートラル」に向けた経営課題に取り組む企業等に対して、国が10年間、研究開発・実証から社会実装までを支援する事業。エネルギー関連産業、輸送・製造関連産業、家庭・オフィス関連産業に関連する14の分野が対象。
※3 当該プロジェクトの研究開発内容の一つである「工場排ガス等からの中小規模CO2分離回収技術開発・実証」が対象。
※4 化学的にCO2を吸収液に吸収させ分離する方法。
※5 冷熱を表す「Cryogenics」の「Cryo」(クライオ)と、排ガス等からのCO2回収「Capture」(キャプチャー)を組み合わせた造語。
【本事業概要】
項目 | 内容等 |
事業の目的 | ・産業部門の脱炭素化に向け、工場排ガス等(大気圧でのCO2濃度10%以下の低圧・低濃度ガス)を対象に、使用するエネルギーや消費機器を変更せずに、低コスト(2,000円台/t-CO2以下)でCO2を分離回収するための技術を確立すること |
主な技術開発内容 | ・LNG未利用冷熱を活用し、従来法の約10%の投入エネルギーでCO2を分離回収する技術「Cryo-Capture®」の開発および都市ガス工場でのパイロット実証 ・回収したCO2と水電解等で製造した水素を原料として、メタネーション技術を用いた合成メタン製造まで含めたカーボンリサイクルに関する実証 |
実施体制 | ・東邦ガス株式会社(幹事会社) 再委託予定先として、日揮株式会社 ・国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(共同提案者) 再委託予定先として、学校法人中央大学、国立大学法人九州工業大学、および国立大学法人九州大学 |
事業期間 | 2022年度~2030年度の9年間を予定 |
【「Cryo-Capture®」の原理】
【「Cryo-Capture®」とメタネーション技術によるカーボンリサイクル実証のイメージ】
以上