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健康増進に関わる技術開発

サウナととのい可視化技術の開発

1. 背景と目的

昨今のサウナブームは、「ととのう」という快感が若者や女性を魅了し、心身を癒やす新たなセルフケア習慣として定着しつつあります。

サウナ浴においては安全に留意することが必要です。慣れによる過剰な追い込みや、知識不足による無理を避け、誰もが健やかにリフレッシュできる「自分なりのサウナの入り方」を見つけることが大切です。

サウナ実施例(左:標準的入り方(3セット)、右:繰り返しの多い入り方(17セット))

安全に「ととのう」ためには、自分の身体状態を正しく理解し、主観的感覚に頼りすぎず、客観的指標も参考にして判断することが重要です。サウナの専門家は、サウナ浴の切り上げ目安を時計で計るのではなく「心拍数で計る」ことを推奨しています。

そこで、当社は、安全で快適なサウナ体験を支援するため、2023年度から「サウナととのい可視化技術」の開発に取り組みはじめました。

2. 概要

当社が開発中の「ととのい評価技術」は、「ととのった状態」に至る生体情報や行動の特徴を反映し、多様なサウナの入り方に対応することを目指しています。

本技術をベースとして構築した『トトノいスコア®』を実証試験用アプリに搭載し、技術検証のための実証試験を複数の温浴施設にて行いました。実証試験は、サウナ室でウェアラブル心拍センサを安全・安心に利用できるように、防熱カバー『ネツモリ®』で保護して実施しました。
防熱カバー『ネツモリ®』

『トトノいスコア』は、つぎの主要な要素を組み合わせ、0〜100の数値で表現しています。

  1. 心拍変動指標(HRV)の採用: ストレスやリラックス評価指標として、自律神経活動を反映するとされる心拍変動指標を活用しています。当社は、ウェアラブル心拍センサデータで、入浴中の「心地よさ」を可視化できることを確認しており、サウナにおいても利用可能と判断しました。
  2. 休憩時間の重要性: サウナは、「サウナ⇒冷水浴(飛ばしてもよい)⇒休憩」を1セットとし、これを繰り返すのが一般的な入り方です。中でも休憩は心拍数を安静時に戻すための大切なタームです。「ととのった状態」は、休憩時の副交感神経が優位になっていることと同義であるという仮説に基づき、休憩時間に関する指標を採用しています。

これらの要素を組み合わせ、得られた知見をベースとしながら、独自の知見とアレンジを加えて評価方法を構築しました(特許出願中)。本技術により、利用者は主観的な感覚に頼らず、客観的な指標を参考に、安全かつ質の高いサウナ体験を目指すことができます。

実証用アプリ画面とウェアラブル心拍センサ(右下)、防熱カバー「ネツモリ®」(右上)

3. 今後の展開

現在、実証試験で取得したデータを用い、評価方法の改良を行っています。複数の手法を試行しながら、より高度な評価方法の開発を進めています。

今後は、温水浴を交えた多様な入り方に合わせ、評価技術も進化させていきます。個人差や入浴順序の違いを考慮し、一人ひとりの楽しみ方に寄り添った安全な入り方の提案に向けた検証を進めていきます。

【注釈】図中のサウナや水風呂の下の時間は、実施時間を示しています。

当社は、エネルギーの枠を超えたくらし・ビジネスのパートナーを目指し、本技術の導入による安心・安全な施設運営や、利用者の行動変容を促す付加価値の高いサービス技術の実用化に取り組んでまいります。