給湯器の水漏れによるリスクとは?
給湯器の水漏れを見つけたときに「少しだから問題ない」と思ってそのままにしておくと、深刻なトラブルに発展しかねません。経年劣化した内部部品や配管が損傷したまま使い続ければ、より大きな漏水や機器自体の故障につながることがあります。さらに、集合住宅等で階下への被害が発生した場合は損害賠償が発生する可能性もあります。本項では水漏れによるリスクと取るべき行動を解説します。
1. 不完全燃焼による一酸化炭素中毒
給湯器はガスを利用してお湯をつくるため、正常な燃焼が損なわれると一酸化炭素が発生するリスクがあります。水漏れによって内部の燃焼空間に障害が生じると不完全燃焼が起こり、一酸化炭素中毒につながる可能性もあります。一酸化炭素は無色無臭の気体であり、気づいたときには既にめまいや頭痛などの症状が出る可能性があります。体調に少しでも異常を感じたら、速やかに病院で診察を受けましょう。また、安全を確保するため、給湯器の使用を止め、専門業者への点検を依頼しましょう。
2. 気づかないうちに高額に…水道代の高騰と二次被害
給湯器の水漏れは気づきにくい箇所でじわじわと進行していることもあります。漏出量が多ければ、気づいたときには水道代の高額請求につながる恐れもあります。また、水漏れにより周囲が湿気を帯び続けると、カビの発生や建材腐食などの二次被害を引き起こす可能性があります。水漏れが発生している時に起こる現象として代表的なものは、普段よりもガス、水道代が高いことや、誰もお湯を使用していないのにもかかわらず、リモコンに燃焼マークが頻繁に表示されることです。水漏れの兆候を早期に察知することで、不要な出費を抑えましょう。
3. 集合住宅は特に要注意!階下への水漏れ被害と賠償責任
集合住宅で給湯器の水漏れが発生した場合、床や壁を通り抜けて階下の部屋にまで水が侵入するリスクがあります。水漏れが原因で建物自体が損傷すると修繕費用が高額になる場合があり、近隣住人や管理組合・管理会社とのトラブルに発展するおそれもあります。また、水漏れの発生について居住者に落ち度がある事例では、近隣住人や管理組合等に対する賠償責任を居住者が負う場合もあります。被害拡大を防ぐためにも、給湯器の水漏れを発見したらすぐに管理会社や専門業者に連絡し、適切な初動対応をすることが大切です。
「故障じゃないかも?」給湯器から水が出る正常なケース
給湯器周辺に水が見られるからといって、必ずしも故障というわけではありません。代表的な正常動作としては、機器内部の水圧を逃がすための自動排水や減圧弁・逃し弁からの排水が考えられます。こうしたケースを知っていると、慌てず正しい判断がしやすくなります。
1. 水圧調整の証!減圧弁・逃し弁からの排水
給湯器には、安全性や機器保護のために、水圧を正常に保つ減圧弁や逃し弁が備わっています。これらの弁が作動すると、数分程度排水されることがありますが、これは給湯器に高い圧力がかからないようにするための設計です。減圧弁や逃し弁からの排水は、故障ではなく通常の保護機能によるものである点を知っておくと、不安を和らげられるでしょう。逆に断続的に排水が続いている場合は、故障している可能性が高いため、専門業者に相談することをお勧めします。
2. メンテナンスのサイン!水抜き栓からの排水
給湯器の保守や点検の際には、水抜き栓から内部の水を抜くことがあります。これも正常な作業であり、単なる水漏れとは異なります。ただし、作業後も水抜き栓から漏水し続ける場合は、きちんと栓が閉まっていないか、パッキンが劣化している可能性があるため、確認しましょう。
給湯器がポタポタと水漏れする主な原因を特定しよう!
給湯器の水漏れを解決するためには、まず原因を特定することが重要です。原因を的確に把握することで、修理や交換の判断がしやすくなります。ここでは代表的な原因を挙げ、それぞれのメカニズムやリスクを解説します。個人で原因を特定することは難しいものもあるため、不安を感じる場合は専門業者へお早めにご相談ください。
最も多い原因はこれ!経年劣化による内部部品の損傷
どんな給湯器でも長年使い続ければ、ゴム製のパッキンや内部の金属部品が劣化していきます。劣化が進むと小さなひび割れや隙間が生まれ、水漏れが発生することがあります。定期的な点検によって早めに部品を交換するのが得策です。
・給湯器の寿命とパッキンの劣化
一般的に給湯器の寿命は、使用年数10年程度が目安とされていますが、頻繁に使用する家庭ではさらに早くパッキンなどの部品が劣化することもあります。使用開始から7~8年を過ぎたら、異常の有無をより慎重にチェックしましょう。
・配管の腐食・破損と水漏れリスク
給湯器本体だけでなく、それに接続する配管の腐食や物理的な破損も水漏れの大きな原因となります。特に屋外配管は風雨に晒されやすく、経年による錆や亀裂が生じやすい傾向があります。もし配管に穴が開いていれば、修理対応も大掛かりになりやすいので、日頃から目視確認など簡単な点検を心掛けると被害を最小限に抑えられます。
・内部の熱交換器の損傷
給湯器内の熱交換器で小さな亀裂が生じると、内部の水が漏れ出しお湯の温度や量が安定しなくなるだけでなく、周辺部品への浸水等によって他の不具合を併発することがあります。異なる温度差の繰り返しにより、金属疲労が原因で熱交換器に穴が開くこともあります。こうした場合は修理費が高額になるので、お湯の温度が安定しない場合や異音、異臭を感じたら早めに専門業者へ依頼しましょう。
冬場に多い!配管の凍結・破裂
外気温が急激に下がると、給水・給湯配管内の水が凍結してしまうことがあります。水が凍ると膨張して配管を破損させる可能性があり、水漏れの原因にもなるため注意が必要です。もし水道管が凍ってしまったら、ぬるま湯を凍結部分にかけたり、ドライヤーで水道管周辺を温めたりして少しずつ凍った水を溶かしましょう。熱湯をかけると、急激な温度差で水道管の破損につながる可能性があります。また、いきなり蛇口をひねるのも、水漏れやひび割れにつながるため、避けましょう。
まれに発生!設置工事時の施工不良
給湯器を新規設置した場合に稀に起こるのが施工不良です。配管の接続部分にパッキンやシーリング剤が適切に使われていないと、水漏れの原因となります。もし設置直後から水漏れが見られる場合は、施工業者に問い合わせて原因を確認し、早急に直してもらうとよいでしょう。
見逃しがち?エラーコード表示による異常
給湯器のリモコンには故障や異常を示すエラーコードが表示される機能があります。しかし、日頃あまり注目しない方も多く、表示されたまま放置してしまうケースがあるようです。エラーコードは機器が発するSOSのようなもので、水漏れや燃焼不良を知らせる重要なサインとなります。給湯器にエラーコードが出ていたら、取扱説明書を確認して内容を把握し、必要に応じて点検・修理を依頼しましょう。初期の段階で対処できれば大きな故障を防ぎやすくなります。
水漏れを発見したらどうする?緊急時の対処法とは
給湯器の水漏れが起きたとわかったら、落ち着いて初動を行うことが大切です。手順を誤ると、さらに被害が拡大してしまう可能性がありますので、管理会社や専門業者の指示を仰ぎつつ一次対応を行うことをお勧めします。
1. まずは給湯器の水の元栓を閉止する
給湯器が水漏れしている状態で使用し続けると、電気部品のショート等による故障リスクが高まります。給湯器への水の供給を停止することで、被害の拡大を抑制しましょう。給湯器の水の元栓を閉止しても、水漏れが止まらない場合は、給湯器以外に要因がある可能性があります。
2. ガス栓を閉め、コンセントを抜く
水漏れによる電気部品のショートやガス供給への影響を抑制するために、給湯器への電気およびガス供給を停止することが必要です。
3. できる範囲で水漏れ箇所を特定
給湯器への水、ガス、電気の供給を停止したら、できる範囲で水漏れの箇所を確認します。 水漏れ箇所が給湯器であれば給湯器の修理や交換業者に、水漏れ箇所が給湯器以外であれば水道業者に相談すると、不要な出費や時間を抑えることができるかもしれません。
【住宅の種類別】給湯器の水漏れはどこに連絡するべきか?
給湯器の水漏れが起きたとき、どこに連絡すればよいか悩む人は多くいます。
ここでは住宅の種類別に、一般的な連絡先と手順をまとめました。
- 持ち家の場合
- 賃貸の場合
住宅の種類によって対応窓口や手順が異なるため、状況に合った連絡先を把握しておくことが大切です。
持ち家の場合
持ち家で給湯器の水漏れが起きた場合、戸建と集合住宅で連絡先が異なります。
| 戸建の場合 | 修理業者へ直接連絡 |
|---|---|
| 集合住宅の場合 | 管理組合や管理会社へ連絡 |
戸建は給湯器本体や配管を含めて所有者の管理範囲となるため、状況に応じて修理業者へ直接相談しましょう。
水漏れの程度が軽く見えても、内部で劣化が進んでいるケースもあるため、早めの確認がおすすめです。
集合住宅の場合は、自己判断で修理業者へ連絡するのは控えたほうが無難です。
給湯器本体は専有部分でも、配管が共用部分に該当することがあり、勝手に修理すると集合住宅の管理組合や管理会社とトラブルになる可能性があります。
必ず利用規約を確認して、まずは管理組合や管理会社に相談しましょう。
賃貸住宅の場合
賃貸住宅の場合、給湯器は貸主の所有物であることが多く、修理や交換の判断も基本的には管理会社や大家さんが対応します。
そのため給湯器から水漏れが見つかった場合は、管理会社や大家さんへ連絡しましょう。
連絡の際は、いつ頃から水漏れしているか、どのあたりから水が出ているかなどを伝えると、状況を把握してもらいやすくなります。
あわせて床や周囲への被害が広がらないよう、無理のない範囲で応急的な対応をしておくと安心です。
自己判断で修理業者を手配すると、費用負担をめぐってトラブルが生じることもあるため避けましょう。
修理?それとも交換?水漏れ時の判断基準と費用目安
給湯器の水漏れが起こった場合、部品交換で対応できるのか、本体ごと交換すべきかは大きな悩みどころです。判断材料としては、使用年数や修理・交換の費用、メンテナンス履歴の有無などが挙げられます。東邦ガスでは、修理と交換どちらにも対応が可能です。それぞれのメリット・デメリットをご説明し、お客さまのニーズに沿った選択ができるようサポートいたします!
1. 使用年数で判断!修理か交換かの分かれ道
一般的に、給湯器の寿命は使用年数10年程度が目安だとされています。製造年月が古い機器は部品の入手が難しくなったり、修理費が高額になったりする場合がありますので、以下の基準を目安に修理か交換か検討してみましょう。
・製造年数10年未満の場合:修理を検討するケース
製造されてから10年未満であれば、部品が入手できる可能性が高く、修理で解決できることが多いです。修理で解決できる場合は、交換と比較して突発的な出費が抑制できたり、スピーディーに解決できる場合が多いです。
・使用10年以上の場合:交換を推奨する理由とメリット
10年以上使っている給湯器は、経年劣化が進んでおり、水漏れ以外にも故障リスクが高まっています。交換すれば経年劣化による故障リスクが軽減され、最新機種では省エネ性能の向上によって光熱費削減も期待できるため、長期的にはお得な選択になる場合があります。
2. 水漏れ箇所と修理・交換費用の目安
水抜き栓など軽微な部品の故障なら数千円~数万円程度で修理できますが、熱交換器からの水漏れや周辺部品に水漏れ影響がおよんでいる場合は、部品代や工賃が高くなり、10万円以上かかることもあります。一方、新しい給湯器へ交換する場合は本体の価格に加え、設置工事費用などにも考慮が必要です。総合的な費用を使用年数や今後の故障リスクも踏まえて、修理と交換のどちらを選ぶかを冷静に検討することをおすすめします。
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水漏れを未然に防ぐ!日常的にできるメンテナンス3つ
給湯器の水漏れは、突然起きるように見えて、実は小さな異変が前触れとして現れていることもあります。
ここでは、日常的にできる3つのメンテナンス方法を紹介します。
- 給湯器本体や配管周辺を清掃する
- 異常音やガス臭の有無をチェックする
- 冬場は凍結対策も万全にする
日頃から状態を確認しておくことで不具合を早めに察知でき、大きなトラブルを回避しやすくなるでしょう。
給湯器本体や配管周辺を清掃する
給湯器本体や配管まわりは屋外に設置されていることが多く、土やホコリ、落ち葉などが溜まりやすい場所です。
これらを放置すると、水漏れや結露が起きていても気づきにくくなります。
定期的に周辺を清掃しておくことで、配管の継ぎ目や本体下部の濡れ、サビなどの変化に気づきやすくなります。
特別な道具は使わず、乾いた布やほうきで軽く掃除する程度で十分です。
配管や部品に触れすぎず、周辺の汚れを取り除く程度にとどめておきましょう。
日常的に状態を見ておくことで、小さな異常を早めに察知できるでしょう。
また、給湯器が屋内に設置されている場合には、定期的に給気フィルターを清掃することも、給気系のトラブル予防に有効です。
異常音やガス臭の有無をチェックする
給湯器の不具合は、水漏れの前に音や臭いが変化として現れることがあります。
使ったときに、以前と音の出方が違うと感じたら注意が必要です。
点火のたびに大きな音がしたり、運転中に断続的な音が続いたりする場合、内部部品に負荷がかかっていることもあります。
また給湯器の周辺でガス特有の臭いを感じたときは、配管の接続部や機器まわりに異常が起きている可能性があります。
お湯を使い始めた直後や、運転が切り替わるタイミングは変化に気づきやすいため、意識して確認しておくと安心です。ガス臭を感じた場合は使用を止め、十分な換気をしたうえで適切な連絡先へ相談しましょう。
冬場は凍結対策も万全にする
冬場は気温の低下によって給湯器や配管内の水が凍結し、水漏れの原因になることがあります。
特に夜間や早朝に冷え込みやすい地域では、見た感じ凍結していなくても配管内部が冷え込むことで負担がかかっている場合があります。
凍結を防ぐためには、給湯器の凍結防止機能が正しく作動しているか事前に確認しておくことが大切です。凍結防止機能とは自動ポンプ機能と凍結防止ヒーター機能の2つです。
・追い焚き配管を守る「自動ポンプ運転」
追い焚き機能付きの給湯器に搭載されており、外気温が約5℃以下になると作動します。浴槽の水を循環させることで、配管内の凍結を防ぐ仕組みです。浴槽の残り湯が「循環アダプター(フィルター)」より5cm以上上にある状態を保ってください。水が足りないと空運転になり、正しく予防できない場合があるため注意が必要です。
・本体内部を守る「凍結防止ヒーター」
給湯器本体の内部配管を電気ヒーターで温める機能です。外気温が氷点下に近づくと(0〜5℃程度)、センサーが感知して自動で加熱を開始します。電源プラグがコンセントに差し込まれていないと作動しないため注意が必要です。わずかに電気代はかかりますが、凍結による故障や修理費用(数万円〜)を考えれば、非常に効率的な防御策です。
まとめ
給湯器の水漏れは、経年劣化や凍結、施工不良などさまざまな原因で起こります。最初はわずかな水滴でも、放置すれば内部の部品がさらに損傷して水漏れが拡大し、思わぬ被害を及ぼすこともあります。見過ごさないように早期発見・適切な対処が大切です。特に、給湯器を10年以上使用している場合は、部品交換が難しくなるケースもあるため、異変を感じたら早めに保守点検や修理の専門業者に相談しましょう。
この記事の監修者
東邦ガスグループ修理チーム
日々、お客さまのガス機器に関する多種多様なご相談や修理に直接携わる中で培った豊富な知識と経験に基づき、本記事の情報を構成しています。ガス機器のトラブルで不安を感じた時、お客さまがご自身で安全に対処できるよう、そして適切なタイミングで私たち専門業者にご相談いただけるよう、正確で実践的な情報提供に努めています。
