水素バーナ開発
1. 背景・意義
カーボンニュートラル実現のため、産業分野における熱エネルギーの脱炭素化は不可欠です。その有力な解決策として水素燃焼が期待されていますが、都市ガスとは異なる燃焼特性が大きな課題となります。
これらの課題を克服し、産業界にクリーンなエネルギーである水素を安定的に導入することが、本技術開発の重要な意義となります。
2. 取り組み概要
当社は、カーボンニュートラル社会への移行を低コストで円滑に行えるよう、既存の都市ガス向け工業炉バーナの水素化を推進しています。
コンセプト
都市ガス仕様のバーナに対し、部品交換無しまたは最小限の部分交換で都市ガスと水素の兼用を可能にすることを目指しています。
3. 主要なバーナの水素化技術
(1)都市ガス・水素兼用直火バーナ(JSA-20S)
日本ファーネス株式会社※1が保有する都市ガス用ハイスピードバーナについて、部品を交換せず、都市ガスと水素それぞれを兼用して燃焼できるバイフューエルバーナとして、共同で商品化しました。
- 1:NFKホールディングスグループの100%子会社
特長
- 部品交換なしで都市ガスと水素の双方の燃焼が可能な国内初の工業用ガスバーナです。
- 緩やかな燃焼の実現により、水素燃焼における火炎温度の急上昇を抑え、排出NOx値の抑制、部品の耐久性を確保しました。
- 空気と燃料をノズル先端で混合させる構造により、燃焼速度が速い水素の逆火を防ぎつつ、都市ガスと水素ともに安定して着火可能です。
- 視認性の悪い水素でも、都市ガスバーナで用いる燃焼安全装置にて火炎を検出できます。
- 日本ファーネスNFK-JSAカタログより引用
NFK-JSA型-Jet Swirl Airflow- High-Speed Burner
仕様
| 項目 | 仕様 | |
|---|---|---|
| 型式 | JSA-20S | JSA-50S |
| 定格燃焼量 | 349kW | 581kW |
(2)シングルエンドラジアントチューブバーナ(SRTN)
株式会社ナリタテクノとの共同開発品の都市ガス仕様から、一部の部品交換のみで都市ガス燃焼と水素燃焼を切り替えることができる技術を開発しました。水素燃焼時の排ガス循環量を最適化することで、都市ガス燃焼時と同等のNOx排出量や耐久性を実現しました。
特長
- コンパクトで設置やメンテナンスが容易です。
- バーナボディに熱交換機能があり、75%(排気損失基準)と業界最高クラスの熱効率を実現しています。
- 低NOxに対応しています。(外部排ガス再循環[EGR]適用時)
- SRTN-80GX(口径:3B)はEGR部の流路形成プレートとガスノズル、SRTN-100GX(口径:4B)はEGR部の流路形成プレートのみを交換することにより、同一バーナで都市ガス燃焼と水素燃焼の切り替えが可能です。
仕様
| 項目 | 仕様 | |
|---|---|---|
| 型式 | SRTN-80GX | SRTN-100GX |
| 定格燃焼量 | 10.4kW | 14.8kW |
(3)リジェネラジアントチューブバーナ(RSTB)
株式会社横井機械工作所と共同で商品化した都市ガス仕様のリジェネラジアントチューブバーナについて、一部のバーナ部品を交換するだけで都市ガスと水素を切り替えられる技術を開発しました。
特長
- ノズルとエアパイプの構造変更により緩やかな燃焼を実現し、水素燃焼における火炎温度の急上昇を抑え、排出NOxを抑制しました。
- リジェネ方式の採用により、80%(排気損失ベース)以上の高い熱効率を確保しつつ、NOx排出量180ppm(酸素濃度=11%換算値)で水素燃焼を実現しました。
仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 型式 | RSTB-125-GX |
| 定格燃焼量 | 64kW |
(4)ガス浸漬バーナ(GIH)
株式会社正英製作所と共同で商品化した都市ガス仕様のラジアントチューブバーナについて、一部のバーナ部品を交換するだけで都市ガスと水素を切り替えられる技術を開発しました。水素燃焼時の排ガス循環量を最適化することで、都市ガス燃焼時と同等のNOx排出量や耐久性を実現しました。
特長
- バーナ本体に熱交換器を内蔵しているため、高い熱効率が得られます。
- 独自のノズル構造により低NOx、高耐久性と安定的な燃焼を実現しています。
- 低NOxに対応しています。(外部排ガス再循環[EGR]適用時)
仕様
| 項目 | 仕様 | |
|---|---|---|
| 型式 | GIH-35GX | GIH-58GX |
| 定格燃焼量 | 29.1kW | 46.5kW |