家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」

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エネファームは、都市ガスから取り出した「水素」と、大気中の「酸素」から化学反応によって電気をつくり、発電時の熱も有効利用する、家庭用燃料電池コージェネレーションシステムです。
2009年度から「エネファーム ※1」の販売を開始し、2012年度にはより発電効率を重視した「エネファームtypeS ※2」の販売を開始しました。

※1 家庭用固体高分子形燃料電池コージェネレーションシステム

※2 家庭用固体酸化物形燃料電池コージェネレーションシステム

1. エネファーム(家庭用固体高分子形燃料電池コージェネレーションシステム)

研究/開発のねらい

固体高分子形燃料電池(PEFC)は電解質に固体高分子膜を用いており、(1)常温で発電可能であるため起動・停止が容易、(2)単位面積あたりの発電能力が大きいため小型軽量化が可能等の特徴を持つ燃料電池です。固体高分子形燃料電池コージェネレーションシステムは、発電した電気を家庭の電力負荷(照明、空調等)に利用し、発電時に生じる熱も温水として有効利用する高効率なシステムです。

  1. [発電原理]
    燃料電池は、水の電気分解と逆の反応原理であり、都市ガスから取り出した水素と、大気中の酸素を化学反応させることにより、電気を生み出す装置です。固体高分子形燃料電池では、水素イオンが電解質である固体高分子膜を移動することで、化学反応が成立しています。
固体高分子形燃料電池の発電原理 固体高分子形燃料電池の発電原理

図1.固体高分子形燃料電池の発電原理

  1. [セルの形状]
    燃料電池本体は、セルと呼ばれる板状のものから構成されています。セルは、電解質を空気極と燃料極で挟み込んだ構造となっています。
セルの形状

図2.セルの形状

1枚のセルから取り出せる電気は、電圧1V以下と小さいため、セルを数十枚積み重ねて、必要な出力を得ています。セルとセルの間にはセパレータと呼ばれる板が設けられ、水素と酸素の通り道となっています。また、セパレータはセルで発生した電気を接続する役割も持っています。

スタックの形状

図3.スタックの形状

  1. [システム構成]
  2. (1)燃料処理装置
    都市ガスから水素を取り出します。
  3. (2)スタック
    燃料処理装置から取り出された水素と空気中の酸素から直流電気を発生させます。
  4. (3)インバータ
    スタックで発電した直流電気を交流に変換。また、電力会社の電力と連系(接続)するために必要な機能も備えています。
  5. (4)熱回収装置
    スタックや燃料処理装置から熱を回収して、約60℃の温水をつくります。
  6. (5)貯湯タンク
    熱回収装置でつくったお湯をためておき、給湯需要がある時に供給します。
  7. (6)バックアップ給湯器
    貯湯タンク内のお湯で需要に対応できない場合や暖房時の温水(お湯)は、バックアップ給湯器でガスを燃焼させてつくります。
固体高分子形燃料電池のシステム構成

図4. 固体高分子形燃料電池のシステム構成

研究/開発の成果

平成10年度より家庭用コージェネレーションとしての開発を開始し、家庭用固体高分子形燃料電池の信頼性・耐久性・省エネ性等の技術評価を実施してきました。引き続き、平成17年度から平成20年度にかけて、国のプロジェクトである「定置用燃料電池大規模実証事業」に参画し、信頼性・耐久性の課題抽出を目的として、当社管内で多数の試作機をお客さま宅に設置しました。得られた課題については、メーカーと試行錯誤を繰り返し、課題解決に取り組んできました。
こうした10年以上におよぶ取組みにより、平成21年度に家庭用固体高分子形燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」の販売を開始しました。
さらなる商品性向上に向け、今後も技術開発に取り組んでいきます。

2. エネファームtypeS(家庭用固体酸化物形燃料電池コージェネレーションシステム)

研究/開発のねらい

固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、セラミックスから構成され、600~1000℃という高い温度で発電を行い、発電効率が高く省エネ性・環境性に優れる等の特徴を持つ燃料電池です。
固体酸化物形燃料電池コージェネレーションシステムは、システムに必要な部品点数が少ないため、コンパクト化・低コスト化が期待できるシステムです。

  1. [発電原理]
    燃料電池は、水の電気分解と逆の反応原理であり、都市ガスから取り出した水素と、大気中の酸素を化学反応させることにより、電気を生み出す装置です。固体酸化物形燃料電池では、酸素イオンが電解質であるセラミックスを移動することで化学反応が成立しています。
固体酸化物形燃料電池の発電原理 固体酸化物形燃料電池の発電原理

図5.固体酸化物形燃料電池の発電原理

  1. [セルの形状]
    燃料電池本体は、セルと呼ばれるものから構成されています。セルは電解質を空気極と燃料極で挟み込んだ構造となっています。
セルの形状(一例)

図6.セルの形状(一例)

1枚のセルから取り出せる電気は、電圧1V以下と小さいため、セルを数十枚積み重ねて、必要な出力を得ています。セルとセルの間にはセパレータと呼ばれる板が設けられ、水素と酸素の通り道となっています。また、セパレータはセルで発生した電気を接続する役割も持っています。

スタックの形状(一例)

図7.スタックの形状(一例)

  1. [システム構成]
  2. (1)燃料処理装置
    都市ガスから水素を取り出します。
  3. (2)スタック
    水素と空気中の酸素から直流電気を発生させます。
  4. (3)ホットモジュール
    燃料処理装置とスタックを断熱材で覆い、高い温度を保ちます。
  5. (4)インバータ
    スタックで発電した直流電気を交流に交換。また、電力会社の電力と連系(接続)するために必要な機能も備えています。
  6. (5)熱回収装置
    ホットモジュールから排出される高温ガスから熱を回収して、最高約75℃の温水をつくります。
  7. (6)貯湯タンク
    回収したお湯をためておき、給湯需要がある時に供給します。
  8. (7)ラジエータ(放熱器)
    貯湯タンクのお湯でいっぱいになると、発電を継続するため、ラジエータを作動させて貯湯タンクから熱回収装置へ送られるお湯を冷まします。
  9. (8)エネファーム専用熱源機
    貯湯タンクのお湯と給水を混合した予熱水を、都市ガスを燃焼させて加熱し、リモコンで設定された温度のお湯をつくります。温水利用時は必ずガスを燃焼します。
固体酸化物形燃料電池のシステム構成

図8. 固体酸化物形燃料電池のシステム構成

研究/開発の成果

平成19年度より家庭用コージェネレーションとしての開発に着手し、燃料電池の信頼性・耐久性・省エネ性を向上するための開発に取り組んできました。その結果から以下の知見を得ています。

  • 発電効率が高く電主運転を行うため、お湯の使用量の少ないご家庭でも高い省エネ効果を得ることができる。
  • 発電効率が高いため、学習機能を用いた自動運転ではなく、24時間連続運転が最も効率的な運転となる。これにより、ご家庭の使用電力の約7割を賄うことができる。
  • 燃料電池から発生する熱量が小さいため、貯湯ユニットの小型化が可能。また、部品点数が少ないことから、燃料電池ユニットの小型化が可能。これらによって、設置スペースを節約することが可能であり設置性に優れる。

燃料電池の更なる課題抽出および商品化開発の促進を目的として、平成21年度から、国のプロジェクトである「固体酸化物形燃料電池実証事業」に参画し、実証評価に取り組んできました。並行してシステムとしての耐久性向上を目的として、多数の試作機で連続耐久試験を行いました。
こうした取り組みにより、課題であった耐久性について目途をつけることができ、平成25年1月に家庭用固体酸化物形燃料電池コージェネレーションシステム「エネファームtypeS」の販売を開始しました。
さらなる商品性向上に向け、今後も技術開発に取り組んでいきます。

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