1. 研究/開発の成果

地球環境により優しい燃焼機器の開発を目指し、NOxやCOなどの環境負荷物質の排出削減を効率的かつ効果的に進めるために、燃焼シミュレーション技術を活用しています。
この技術は、機器開発を進める上で重要となる、燃焼に伴い発生する中間生成物 ※1の濃度分布や、ガス・空気の流れ、温度分布といった燃焼に関する詳細な技術情報を予測することができます。環境負荷物質の排出削減に加えて、機器の高効率化、耐久性、信頼性向上のための機器開発にも利用しています。

※1 火炎付近の高温ガス中に、極めて短い時間で生成・消失する化学種成分

2. 研究/開発の活用

  1. (1)燃焼シミュレーションの特長
    都市ガス燃焼機器の低NOx化、高効率化などの研究開発は、現状では主に、実験による試行錯誤により行われています。しかし、家庭用給湯熱源器に搭載されている小型バーナの狭小領域や、産業用の大型直接加熱炉内のように高温で広大な領域では、従来の熱電対センサを挿入しての温度測定や、ガス吸引管によるガス濃度測定は容易ではありません。
    こうしたなか、燃焼シミュレーション技術は以下のような特長があります。
    • 測定が困難な燃焼機器でもNOxやCOなどの環境負荷物質の排出源(生成位置および、生成原因)を特定できる。
    • 機器の高効率化や耐久性、信頼性向上に影響を与えるヒートスポットや燃焼に伴う発熱源を特定できる。
    (1)火炎写真(改善前)

    (1)火炎写真(改善前)

    (2)温度分布の比較

    (2)温度分布の比較

    (3)NO分布の比較

    (3)NO分布の比較

    図1.浸管長さと効率・排ガス温度グラフ

    バーナ火炎の温度分布(燃料組成の違い)

    図2.バーナ火炎の温度分布(燃料組成の違い)

    炉内温度分布の一例

    図3.炉内温度分布の一例

  2. (2)活用事例
    家庭用給湯熱源器に搭載されている従来タイプの小型バーナを対象に燃焼シミュレーションを実施し、NOxやCOの発生メカニズムを究明しました。この予測結果が、実験データの傾向と一致することを確認するとともに、予測結果からNOxやCOなどの環境負荷物質の排出源を特定することにより、機器の熱効率を維持しながら低NOxでかつ低COとなる新型燃焼機器 ※2を考案しました。
    燃焼シミュレーション技術を産業用バーナに適用して、省エネ性や環境性など、お客さまのニーズにマッチした都市ガス機器やシステムの開発・カスタマイズおよび、お客さま先で稼働しているバーナや工業炉の性能改善などを図るためのソリューションご提案資料として活用しています。

    ※2  青木修一、山崎拓、「さらなる低NOx化を目的として2次空気を制御した濃淡バーナの燃焼特性」、2007年日本機械学会年次大会講演予稿集、(2007)

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