蒸気ボイラの高効率化
1. 研究/開発のねらい
ボイラは蒸気負荷50%以下の部分負荷で運転されるケースが多く、部分負荷運転時は蒸気負荷に合わせてボイラを発停制御しています。ボイラ停止後に再着火する場合には、安全のため缶体を換気(パージ)する必要があり、このパージ時は缶体が冷やされることになり、熱損失が発生します。このため、発停回数が増える部分負荷運転時はボイラ効率が低下します。
そこで、実運用時のボイラ運転効率向上を目的として、ボイラに搭載するバーナのターンダウン比(=最低出力と定格出力の比)を広げることにより部分負荷時の発停回数を減らす開発に取組んでいます。
- ※ボイラ運転効率とは実運用時の負荷変動によるボイラの運転、停止を含めた長時間使用での総合的なボイラ効率です。
2. 研究/開発の成果
(1)蒸気発生量1000kg/h蒸気ボイラの高効率化
(株)サムソンとガス3社共同で、換算蒸発量1000kg/hボイラクラス最高のボイラ効率98%と、高い運転効率を維持するターンダウン比1:5を実現したガス焚き簡易貫流蒸気ボイラを開発。2018年4月から販売しています。
蒸気負荷が定格の25%になるまでバーナを停止する必要がないため、ボイラ運転効率が従来機より大幅に向上し、 ランニングコストを低減するとともに、環境負荷低減に寄与することができます。
1000kg/h蒸気ボイラ
(2)蒸気発生量1200kg/h蒸気ボイラの高効率化
三浦工業とガス3社共同で、「ベンチュリサクション技術」を採用することで、換算蒸発量1200kg/hのボイラでは日本で初めて低圧ガス仕様を実現したガス焚き小型貫流蒸気ボイラを開発。2017年10月から販売しています。
本ボイラはエコノマイザを改良することで従来機よりも1%高い、クラス最高のボイラ効率98%を達成しています。また、高ターンダウン比化が困難な低圧ガスボイラ(1200kg/h以上)の分野でターンダウン比1:4を実現しています。蒸気負荷が定格の25%になるまでバーナを停止する必要がないため、低負荷領域において、ボイラON/OFF回数を低減することで運転効率の維持が可能となります。
1200kg/h蒸気ボイラ
ベンチュリサクション技術
(3)蒸気発生量1000kg/h蒸気ボイラの高効率化
日本サーモエナーとガス3社共同で、従来ターンダウン比2:1を4:1(100%-50%-25%-OFF)へ高ターンダウン化し燃焼四位置制御方式を採用した高効率ガス焚き貫流ボイラを開発。2015年7月から販売しています。
蒸気負荷が定格の25%になるまでバーナを停止する必要がないため、ボイラ運転効率が従来機より最大6%向上しています。簡易貫流ボイラとして燃焼四位置制御方式を採用したのは日本で初めてとなります。
1000kg/h蒸気ボイラ
(4)蒸気発生量2500kg/h蒸気ボイラの高効率化
ヒラカワとガス3社共同で、従来ターンダウン比2.5:1を10:1へ高ターンダウン化した高効率ガス焚き貫流ボイラを開発。2011年4月から販売しています。
蒸気負荷が定格の10%になるまでバーナを停止する必要がないため、運転と停止の繰返しによるボイラ運転効率の低下を最小限に抑えることができます。また、潜熱回収技術により、運転負荷全域で101%~102%のボイラ効率を実現しています。
2500kg/h蒸気ボイラ
-
快適でゆとりある暮らしを実現 ~家庭用機器~
-
都市や産業の持続的な発展に寄与 ~業務用・産業用機器~
- 都市や産業の持続的な発展に寄与 ~業務用・産業用機器~
- SOFC(固体酸化物形燃料電池)
- SOFC(固体酸化物形燃料電池)
- 次世代燃料電池(セラミックリアクター)
- ガスコージェネレーション
- 450kW高効率ガスエンジンコージェネレーションシステム
- コージェネ予防保全システム(AssistPlus)
- 小型ガスコージェネレーションシステム「35kW ジェネライト」
- ガス空調機器・システム
- GHP XAIR(エグゼア)Ⅱ
- ハイブリッド空調システム「スマートマルチ」
- 大容量・高効率GHPチラー
- GHP遠隔監視の高度化
- 停電対応GHP
- 2温水回収ジェネリンク
- 起動時間短縮ナチュラルチラー
- 太陽熱利用ガス空調システム「ソーラークーリング」
- 空調シミュレーションによる快適性評価技術
- 業務用厨房機器・ボイラ
- 「涼厨 連続炊飯機」の開発
- 「涼厨 高効率ガス煮炊き釜」の開発
- 高効率な涼厨®寸胴レンジ(MLO-067C)
- ガス式焼物器の高性能化
- ガス式スチームコンベクション オーブンの高性能化
- 業務用厨房の温熱環境予測技術
- VRによるシミュレーション 結果の可視化
- 蒸気ボイラの高効率化
- 工業用機器術
- シングルエンドラジアントチューブバーナ(SRTN)
- シングルエンドラジアントチューブバーナ(CSRT-S)
- 真空熱処理炉向けシングルエンドラジアントチューブバーナ(VSRT)
- リジェネラジアントチューブバーナ(RSTB)
- サイクロリジェネバーナ(CTR)
- 高ターンダウンラジアントチューブバーナ(WRT)
- パッケージレキュペバーナ(TKR)
- 浸管パッケージバーナ
- 小型間接熱風発生装置(HEX-30)
- ロータリーキルン用バーナ
- 浸漬加熱バーナ
- 工業炉設計支援のための燃焼シミュレーション
- 現場支援のための化学分析技術
-
安全と安心をお届けする都市ガス~供給・生産技術~
- 安全と安心をお届けする都市ガス~供給・生産技術~
- 非開削工法
- STREAM工法(ストリーム工法)
- エコキャット工法
- ワイヤーブレード工法
- パイプスプリッター工法
- パイプインパイプ工法・ウインドウカッター
- ナビゲーター工法・フレックスドリル工法
- 配管技術
- 可変式丸穴タイプガスコンセント
- ポリエチレン管配管システム
- PE-GM II接合材料
- TR(トラジション)クランプ
- フレキシブル配管工法
- スクイズクランプ
- ガス導管の耐震性評価手法
- 修理技術
- プラスライニング工法
- ライブジョイントシール工法
- フェニックス工法
- 継手シーリング修理工法
- マッハブロック
- 検査・監視技術
- 水位遠隔監視システム
- ガバナみはる
- 架管点検装置
- 電気防食設備遠隔監視システム
- 鋼管溶接部超音波検査技術
- 他工事損傷未然検知遠隔監視システム
- 溶接内面検査カメラ
- 供給設備技術
- 高圧マイクロ減圧設備
- 低騒音型ガバナ
- 新型自動ガス遮断装置
- IT活用技術
- パトロール業務支援システム「パトナビシステム」
- 他工事路線パトロールシステム
- 工事中検査報告システム
- 生産技術
- 新型BOG再液化設備「MiReLiS」
- 新型液ガス式熱量調整装置「AtoMS」
- BOG圧縮機樹脂製弁プレートを使用した吸入・吐出弁
- 低温弁シール部の簡易修理治具
- 樹脂弁体を使用した低温手動弁
- 新型空温式LNG気化器
-
未来に向けて、地球にやさしく~環境技術~
-
新たな付加価値の創造に向けて ~新領域開拓~
- 知的財産活動
- 開発担当者インタビュー