450kW高効率ガスエンジンコージェネレーションシステム
「廃熱回収増大型・低NOxガスコージェネレーションシステム(SGP M450)」に関して、平成28年度の日本機械工業連合会の優秀省エネルギー機器表彰事業にて、「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました。
「高効率・高出力・低NOx化を実現した450kWガスコージェネレーションシステムの開発」に関して、2015年度「コージェネ大賞」技術開発部門 特別賞を受賞しました。
コージェネ大賞は、新規・先導性、新規技術、省エネルギー性等において優れたコージェネを表彰することにより、コージェネの社会的認知を図るとともに、より優れたコージェネの普及促進につなげることを目的にコージェネ財団(一般財団法人コージェネレーション・エネルギー高度利用センター)が実施している表彰制度です。
1. 研究/開発のねらい
ガスエンジンコージェネレーションシステム(以下、コージェネ)は、エネルギー利用効率が優れたシステムとして、特に東日本大震災以降、事業継続計画(BCP)を目的とした電力セキュリティ確保や節電などの観点でも、お客さまからの期待が高まっています。
当社では、病院や商業施設、オフィスビル、工場などへのコージェネの更なる普及促進をはかり、省エネルギー、環境負荷低減やBCPへの貢献を目的に、高効率コージェネの開発に取り組んでいます。
2. 研究/開発の成果
当社は、三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社と共同で、高効率・高出力・低NOx化を実現した450kWコージェネ(以下、「本製品」)を開発し、2015年4月1日から販売しています。本製品は、380kWコージェネ(以下、「従来品」)をベースに開発した製品で、燃焼の最適化や高効率部品の採用等により、450kWに高出力化するとともに、出力400kW級コージェネで世界最高クラスの発電効率42.0%、総合効率81.5% ※1を実現しました。また、BCPへの一層の貢献を目的に、断水時にも発電を継続できる空冷式ラジエータ仕様(2017年6月1日販売開始)や、商用電源の停電時等に、より多くの負荷に対し速やかに電力を供給することが可能な、初期負荷投入率向上仕様(2017年12月販売開始)を商品化しました。
その主な特徴は下記の通りです。
- ※1 回収した熱を全て温水として利用する『全温水回収仕様(SGP M450-W)』の場合。回収した熱を温水と蒸気として利用する『蒸気・温水仕様(SGP M450-S)』の場合は、80.5%。
図1 本製品の外観写真
(1)出力400kW級で世界最高クラスの発電効率42.0%を実現
今回開発したガスエンジン(出力450kW)は、燃焼の最適化や、水冷ターボチャージャ、高効率発電機等を採用することで、従来品に比べて約20%の高出力化を達成するとともに、世界最高クラスの発電効率42.0%を実現しました。また、混合気を冷却し空気密度を高めるためのインタークーラを従来品の1段から2段に増やした2段インタークーラを採用し、熱回収を行うことで総合効率を81.5%まで向上させました。
図2 2段インタークーラ模式図
(2)投資回収年数の短期化を実現
高効率化、高出力化と脱硝設備が不要となるレベルの低NOx化 ※2を同時に実現したことで、イニシャルコストの削減とランニングコストメリットの増大をはかり、従来品に対して投資回収年数の短期化を実現しました。
- ※2 設置する地域によって規制値が異なり、脱硝設備が必要となる場合もあります。
(3)設置スペース30%以上削減を実現
パッケージ内レイアウトを見直し最適な機器レイアウトとしたことで、従来品に対して設置スペースを30%以上削減しました。
(4)防災対応能力の向上
①常時ラジエータ仕様(オプション仕様)
コージェネの冷却装置には、一般的に冷却塔(水冷式)を用いますが、この場合、放熱時に冷却水の一部が蒸発するため、外部から水を補給する必要があります。本仕様では、冷却装置として空冷式のラジエータを採用したことで、補給水が不要となり、停電に加えて断水が発生した場合にも、燃料ガスのみの供給で運転継続を実現できます。
図3 常時ラジエータ仕様 模式図
②初期負荷投入率向上仕様(標準仕様)
エンジン制御及び発電機の制御を最適化することで、コージェネ起動時の初期負荷投入量において、400kW級高効率ガスエンジンでトップクラスである180kW、初期負荷投入率40%を実現しました。これにより、商用電源の停電時などに、より多くの負荷に対し速やかに電力を供給することが可能となりました。2017年12月から本仕様を本製品の標準仕様として販売しています。
図4 初期負荷投入率向上仕様 模式図
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