大容量・高効率GHPチラーの開発
1. 研究/開発のねらい
ナチュラルチラー※1(ガス吸収冷温水機)に並ぶもう一つの冷温水製造装置、GHP(ガスエンジンヒートポンプ)チラーの大容量・高効率化開発を、東京ガス株式会社、大阪ガス株式会社、ヤンマーエネルギーシステム株式会社と共同で行い、2018年1月から販売を開始しました。
GHPチラーは冷却水管理や冷暖切替作業が不要となるとともに、既存ナチュラルチラーの室内機を再利用することも可能です。
- ※1 ガス吸収冷温水機の愛称。自然冷媒である水を用いた環境に優しい冷水製造装置であることに由来しています。
2. 研究/開発の成果
本開発では、従来のGHPチラーの課題点であった効率や容量を大幅に向上しました。主に熱交性能の向上によって高効率化を、エンジン出力・コンプレッサ容量・熱交ファン風量の増加により大容量化を達成しました。高効率型と大容量型の2種を開発し、従来機と比べて高効率型は効率24%・能力49% ※2の向上、大容量型は効率13%・能力66% ※2の向上を実現しました。
- ※2 効率・能力は定格冷却効率・定格冷却能力で比較しています。
大容量・高効率GHPチラーの特長
(1)主要部品開発による大容量化
- ジェネライト用25kW級の大型エンジンをGHPに適用。
- 大型コンプレッサを新規採用。
- 熱交ファンモータの高出力化および台数増加。
(2)熱交換性能向上による高効率化
- マイクロチャネル熱交換器をGHP初採用、冷媒流路を微細化した伝熱管により、伝熱面積を拡大。
- 上記ファン風量アップにより、熱交換性能を向上。
大容量化要素 | 従来型GHPチラー | 大容量・高効率GHPチラー | |
---|---|---|---|
ガスエンジン | 出力[kW] | 18.8 | 27.3 |
排気量[cc] | 2189 | 3318 | |
コンプレッサ | 排除容積[cc/rev.] | 120 | 160 |
台数 | 2 | 2 | |
熱交ファン | モータ定格出力[W] | 750 | 1000 |
台数 | 3 | 5 |

図1 大容量・高効率GHPチラーの外観

図2 マイクロチャネル熱交換器