2014年度(平成26年度)

港明用地開発におけるエネルギー計画 ~総合エネルギー事業のモデル地区として、先進のエネルギーシステムを導入~

2014年12月11日

東邦ガス株式会社

 東邦ガス株式会社は、「人と環境と地域のつながりを育むまち」をコンセプトとして、名古屋市港区で進めている新たなまちづくりで、総合エネルギー事業のモデル地区となる「スマートタウン」を実現します。

 この開発計画については、昨年3月に名古屋市へ環境アセス方法書を提出して以降、各関係機関と都市計画および環境アセスの協議を進めるとともに、第Ⅰ期開発計画の詳細を検討してきました。早ければ来春にも現地工事に着手できる見込みとなりましたので、今回、第Ⅰ期開発のエネルギー計画を取りまとめました。

 本計画では、総合エネルギー効率の高いガスコージェネレーションを中心に、外部からのグリーン電力購入、大型蓄電池(NAS電池※1)、太陽光発電、運河水熱利用などを組み合わせ、都市再開発において“中部圏初”となる電気・熱・情報のネットワークを備えたCEMS(コミュニティ・エネルギー・マネジメント・システム)を構築します。また、ガスコージェネレーションとNAS電池を組み合せたシステムは、都市再開発では“日本初”となります

 本システムにより、1990年比※2で、国内トップレベルの省エネルギー率40%、CO2削減率60%を達成する見込みです。また、大規模地震などの災害時でも、エリア内の各施設で必要となるガス・電気・熱の供給を継続します。

 昨年3月の『東邦ガスグループビジョン』で掲げた総合エネルギー事業のビジネスモデルとして、港明用地で当社によるガス・電気・熱の一括供給システムを具現化するとともに、他の地域への展開を進めていきます。

 ※1 NAS電池:大容量、高エネルギー密度、長寿命を特長とした電力貯蔵システム。鉛蓄電池の約1/3の大きさ。
 ※2 1990年当時の個別熱源設備や建物仕様で算定したエネルギー使用量・CO2排出量との比較。

1.エネルギー供給の概要

 第Ⅰ期開発では、電力の特定供給※3を導入して、エネルギーセンターから、商業施設、集合住宅、スポーツ・レクリエーション施設、邦和スポーツランド(既設)に、ガス・電気・熱を一括供給します。
 また集合住宅では、高圧一括受電サービスをはじめ、多様なサービスを提供します。

※3 電気事業者でない者が、許可を得て特定の需要家へ電気を供給する形態。

【第Ⅰ期開発※4エネルギー供給計画図】
※4 本開発では、区域を2分割した段階開発を行う予定。

第Ⅰ期開発エネルギー供給計画図

【エネルギーセンター外観イメージ図】

エネルギーセンター外観イメージ図 

【エネルギーセンター概要】

構造:鉄骨鉄筋コンクリート造│規模:延床面積 約4,400㎡、4階建 高さ約30m│利用計画:1階 ショールーム、2~4階 エネルギー設備

 

2.エネルギー供給システム

(1)エネルギーシステム構成

【エネルギーシステムフロー図】

エネルギーシステムフロー図

【エネルギー負荷想定】

<電力>年間ピーク負荷:5,000~8,000kW│<冷 熱>年間ピーク負荷:9,500 kW│<温 熱>年間ピーク負荷:4,500 kW

【主なシステム機器概要】

<電源>ガスコージェネレーション(ガスエンジン発電機):2,000~3,000kW│NAS電池:600kW│太陽光発電設備:300kW│バイナリー発電機:20kW│グリーン電力:1,000kW、<熱源>ガス焚きジェネリンク:5,600kW│蒸気吸収式冷凍機:1,900kW│運河水利用ヒートポンプ゚他:3,500kW

(2)主な特徴

[1]環境に優しい電力供給システム

・エリア内の電力は、ガスコージェネレーションや太陽光の発電電力と、外部グリーン電力(木質バイオマス電力を購入予定)など系統からの受入電力を併せて、エネルギーセンターから自営線(自社で整備する電線)で各施設に供給します。
・外部グリーン電力(24時間一定量)を安定的に利用するため、NAS電池を活用して、夜間の余剰電力を充電し、昼間のピークカット時間帯に放電します。この制御により、CO2削減効果を大きく高めることができます。
・また、NAS電池で太陽光発電の出力変動やエリア内の需要変動を吸収させることにより、ガスコージェネレーションを高効率で安定稼働することができます。さらに災害時には、供給する電力品質の安定にも寄与します。

[2]熱利用の高度化

・ガスコージェネレーションの熱電バランスを最適化し、年間を通じて高い稼働率を維持することにより、省エネ性と経済性を向上させます。また、ガスコージェネレーションの排熱を最大限に利用するため、バイナリー発電※5を導入して低温排熱から発電することで、さらに省エネ効果を高めます。
・エリア内の港北運河の水を未利用エネルギーとして熱源に有効活用することで、エネルギー使用量を削減します。

 ※5 バイナリー発電:低温水(80℃前後)を熱源として発電するシステム。地熱発電などで採用されている。

[3]CEMSによるエネルギーマネジメント

・電気・熱・情報のネットワークを構築して、エリア内のエネルギー需給管理を一括して行います。
・供給側では、外部グリーン電力の安定受入と、ガスコージェネレーション等の発電電力、NAS電池の充放電を組み合わせた需給調整を行います。併せて、省エネ効果が最大となるように、電力システムと熱システムを融合させた最適運転を行います。
・需要側では、CEMSと各施設に設置したBEMS、MEMS、HEMS※6とを連携させて、空調や照明などのデマンドコントロールを行います。またピーク時には省エネ行動を促して、電力・熱双方の需要抑制やピークシフトを図ります。

 ※6 エネルギー管理システム。BEMSは商業施設、スポーツ施設を、MEMS・HEMSは集合住宅を管理。

【エネルギーマネジメント図】 エネルギーマネジメント図

 

3.エネルギーシステムの効果

 本計画では、国内最高水準のエネルギー効率を目指すシステム構成とした結果、1990年比で、一次エネルギーは当初計画どおり▲40%削減、CO2排出量は当初計画(▲50%)を上回る▲60 %削減となる見込みです。


なお、本計画の省エネ性・環境性が評価され、本年夏には以下の環境省 補助事業に採択されました。
・先導的「低炭素・循環・自然共生」地域創出事業(GPP事業)<対象期間:26~28年度>
・自立・分散型低炭素エネルギー社会構築推進事業      <対象期間:26~28年度>

 

4.災害時のエネルギー供給

 大規模地震などの災害時でも、エリア内のエネルギー需給を制御して、必要なエネルギーを供給します。
 具体的には、自立分散型エネルギーシステムであるガスコージェネレーションや太陽光発電、NAS電池の活用と、災害に強い中圧導管でのガス供給により、ガス・電気・熱の供給を継続します。
 また災害時には、隣接する港区役所や港防災センターにも非常用電力を供給して、地域の防災活動を支援します。

 

5.スケジュール(予定)

 第Ⅰ期開発事業については、平成27年春から基盤整備工事に着手する予定です。
 エネルギーセンターは、平成27年夏に着工し、平成29年からエネルギー供給を開始する予定です。
 この他、スポーツ施設は平成28年初めの開業、商業施設は平成29年の開業、集合住宅は平成29年以降に順次竣工を予定しています。

以上

【参考】港明用地開発事業の概要[PDF : 422KB]

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