2012年度(平成24年度)

全国初、賃貸集合住宅でスマートエネルギーハウス実証試験を開始~3電池(燃料電池、太陽電池、蓄電池)のエネルギー有効利用を検証~

2012年7月10日

東邦ガス株式会社

 東邦ガス株式会社(社長:安井香一、以下「東邦ガス」)は、一般向けの賃貸集合住宅としては全国で初めて、スマートエネルギーハウス実証試験(以下、「本実証試験」)を本年8月から開始します。

 本実証試験では、岐阜県岐阜市内に新たに建設した集合住宅(2階建て、4戸×2棟の計8戸)に、2種類の家庭用燃料電池(SOFC※1・PEFC※2)、太陽電池、蓄電池の3電池を設置し、これらを棟全体(棟内全戸)で共有します。発電効率の高いSOFCは、定格で継続的に運転させることで棟全体の電力需要のベース部分を賄い、電力需要が変動する部分はPEFCで賄う仕組みとするなど、家庭用燃料電池や太陽電池から創られる熱・電気を住棟内で融通し、無駄なく最大限に活用します。これにより集合住宅全体での省エネ・省COを目指すもので、同等の標準的な集合住宅と比較して約5割の省エネ※3向上とCO削減を見込んでいます※4。また、電源セキュリティの面から、蓄電池は燃料電池や太陽電池と組合せ、停電時に電力供給が可能なシステムとしています。

 東邦ガスは、2011年7月から本実証試験に関するエネルギーシステムの検討・設計を進め、2012年3月から積水ハウス株式会社(社長:阿部俊則)の協力により建物の設計、工事を行なっており、このたび工事が完了しました。実証試験は8月1日からの入居に合わせて開始し、エネルギー供給方式の有効性の確認や課題の抽出を約3年間の計画で行なう予定です。

 東邦ガスは、今後も天然ガスの普及拡大と高効率・高度利用を推進し、環境調和型社会の実現を目指します。

※1: Solid Oxide Fuel Cell(固体酸化物形燃料電池)の略。電解質にセラミックスを用いた燃料電池で発電効率が高い(45~55%)。起動時間が比較的長く、連続運転に適している。
※2: Polymer Electrolyte Fuel Cell(固体高分子形燃料電池)の略。電解質に固体高分子膜を用いた燃料電池。起動時間が短く、起動・停止が容易。
※3:一次エネルギー消費量(消費したガス、電気を原油換算した合算値)にて評価。
※4: 1棟(4戸)あたり2人家族×2戸、4人家族×2戸の居住を前提に、各世帯が従来給湯器および系統電力を利用した場合の平均。(原油換算ガス1.137L/m3、電力0.252L/kWh、CO2排出原単位は、ガス2.26kg-CO2/m3、電力0.69kg-CO2/kWh)

 

 <スマートエネルギーハウス(賃貸集合住宅)外観>
スマートエネルギーハウス(賃貸集合住宅)外観の写真

 

 

1.実証試験におけるエネルギーシステムの概要 

(1)エネルギー設備仕様及び概要(1棟=4戸当たり)

 ○家庭用燃料電池「エネファーム」:SOFC(0.7kW)×1台、PEFC(0.75kW)×1台
 ○太陽電池:5.5kW
 ○蓄 電 池:9.36kWh×1台

<エネルギーシステム概念図>
エネルギーシステム概念図の画像 

 

<複数戸(1棟4戸)の電力需要イメージ>

複数戸(1棟4戸)の電力需要イメージの画像

2.実証試験の主な内容

(1)省エネ効果、システムの有効性の確認

 複数戸(1棟4戸)で、種類の異なる家庭用燃料電池2台(SOFC、PEFC各1台)、太陽電池を共同で利用することによる省エネ効果(需要の重ね合わせによる機器の継続・高効率運転※5の実現)を確認します。
 また、SOFC、PEFCそれぞれの特性を活かした運転方法(定格運転と負荷調整運転の使い分けなど)の検証を行います。

(2)「見える化」による省エネ行動促進効果の確認(共有設備の「見える化」の効果確認)

 各戸に、燃料電池や太陽電池の稼動状況やエネルギー使用量等を表示できるタブレット端末を設置します。エネルギー使用量や目標値との比較などを「見える化」し、省エネ行動の促進効果等を確認します。また、棟全体の共用設備であるエネルギーシステムの発電状況等も表示し、省エネ行動に与える効果について確認します。

(3)停電時、電力供給システムの検証

 蓄電池に他の2つの電池を組み合わせて、停電時に非常用コンセントから電力を供給するシステムの有効性を検証します。

(4)集合住宅へのエネルギー供給方式の課題抽出

 集合住宅でエネルギーシステムを共同で利用し、熱・電気を融通するエネルギー供給方式の有効性の確認や課題の抽出、検証を行います。

※5:複数戸の異なるエネルギー需要を重ね合わせることにより、戸別の需要を等倍した時に比べ、ピーク需要の抑制や全体の需要が平準化されると共に、負荷の少ない夜間帯もSOFCが定格運転するだけの負荷が発生します。これにより、機器の定格・高効率運転時間が増加し、全体として省エネ運転の促進が期待できます。

<タブレット端末の表示画面>
トップ画面
「タブレット端末の表示画面」のトップ画面イメージ画像

各家庭のエネルギー使用量の予測画面
「タブレット端末の表示画面」の各家庭のエネルギー使用量の予測画面のイメージ画像

 

3.実証試験の場所・建物概要

○場所
 岐阜県岐阜市清本町
○建物概要
 4戸×2棟 軽量鉄骨2階建て
 (内訳)2LDK(65.9m2)2戸、3LDK(76.4m2、78.3m2)各1戸

以上

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