1. 研究/開発のねらい
東邦ガスでは他企業工事によるガス導管の損傷防止を目的に重要路線をパトロールしています。パトロール要員は未連絡の他企業工事現場を発見すると、すぐに事務所に現場の位置や工事状況を報告します。これまでは電話を使った口頭での説明だけであったため、事務所では位置の特定や状況把握に時間がかかっていました。また、パトロール要員は事務所に戻った後に、報告書を作成する手間を要していました。
2. 研究/開発の成果
- (1)概要
路線パトロール中に未連絡の他企業工事現場等を発見した場合、GPS機能を搭載したカメラ付き携帯電話を利用して、正確な現場の位置や工事現場の写真データ等を事務所に迅速に報告できるシステムを開発しました。 - (2)特長
- 1.パソコン側
- 報告内容や巡回者の走行履歴が確認できます。
- 報告メニューを簡単に変更できます。
- プリントアウト用の帳票を自動的に作成します。
- ウェブブラウザーで使用できます。(パソコンへのソフトインストール不要)。
- 2.携帯電話側
- 報告内容の記入、写真撮影、GPS位置発信をします。
- 事前登録箇所(吊防護等)に接近すると、携帯電話がアラームを発呼します。
- 1.パソコン側
- (3)効果
- 1.現場情報の共有化
未連絡の他企業工事現場等の発見時に、迅速かつ正確に事務所に報告することが可能となります。 - 2.作業負荷の軽減
報告書が自動的に作成されるため、巡回者の帳票作成負荷が軽減されます。 - 3.巡回業務の監理強化
巡回者の巡回ルート履歴を確認できることから、委託業務の監理が強化されます。
- 1.現場情報の共有化
- (4)パトロール品質の強化
携帯電話のアラームにより、巡回中に特に注意すべき箇所を、巡回要員に確実に認識してもらうことができます。

図1 システム概要図