1. 研究/開発のねらい

SOFC(固体酸化物形燃料電池)はセラミックスから構成される燃料電池であり、600~1000℃という高い発電温度が特徴です(図1)。SOFCは以下のような長所を持つことから、省エネ性・環境性に優れたコージェネレーションシステムとしての利用が期待できます。

  • 発電効率が高く、利用価値の高い高温排熱を回収できる。
  • 水素だけでなくメタンや一酸化炭素も燃料として直接使用できる。
  • システムに必要な部品点数が少ないため、コンパクト化・低コスト化が期待できる。

東邦ガスでは、発電出力が数kW級の小型SOFCコージェネレーションの実用化を目指した研究開発に取り組んでいます。

図1 SOFCの発電原理

図1 SOFCセルの構成と発電原理

2. 研究/開発の成果

東邦ガスではSOFCのセル材料開発からシステム製作に至るまで、実用化に向けて幅広く研究開発を行っています。

~セル開発~
SOFCの発電素子であるセルは、電解質の両側に空気極(+極)、燃料極(−極)がそれぞれ焼成された構造となっています(図1)。当社では独自にスカンジア安定化ジルコニア(以下、ScSZ)という電解質材料を開発し、このScSZを用いたセルを作製しました。材料組成の検討により、イオン伝導率が高く、曲げに対して丈夫なScSZを実現しました(図2)。今後は材料およびプロセスの改良を通じて、更なる性能向上と低コスト化を目指します。

~スタック開発~
SOFCセル1枚当たりの出力は10~20Wであるため、数kW級の発電を行うためには、複数枚のセルを積み重ねて、セルスタックを構成する必要があります。当社では、構造がシンプルで組み立てが容易な平板型構造を採用しており、コンパクトで高出力発電が可能なスタック設計を検討しています(図3)。また、耐久性向上を目的としたスタック部材の表面処理などの要素技術開発にも取り組んでいます。

~システム開発~
セルスタック開発と並行して、SOFCコージェネレーションシステムの開発を進めています。1kW級のSOFC発電システム開発から着手し(図4)、現在ではAC5kW級のシステムの試作を実施しています。今後は、SOFCシステムのさらなる小型・高効率化、および排熱回収機能を付加したコージェネレーションシステムとしての開発を進めていきます。

図2 高強度・高靭性のScSZ電解質

図2 高強度・高靭性の
ScSZ電解質

図3 平板型構造のセルスタック

図3 平板型構造のセルスタック

図4 1kW級システム

図4 1kW級システム

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