1. 研究/開発のねらい

ボイラは蒸気負荷50%以下の部分負荷で運転されるケースが多く、部分負荷運転時は蒸気負荷に合わせてボイラを発停制御しています。ボイラ停止後に再着火する場合には、安全のため缶体を換気(パージ)する必要があり、このパージ時は缶体が冷やされることになり、熱損失が発生します。このため、発停回数が増える部分負荷運転時はボイラ効率が低下します。
そこで、実運用時のボイラ運転効率向上を目的として、ボイラに搭載するバーナのターンダウン比(=最低出力と定格出力の比)を広げることにより部分負荷時の発停回数を減らす開発に取組んでいます。

2. 研究/開発の成果

  1. (1)蒸気発生量2.5t/h蒸気ボイラの高効率化
    ヒラカワとガス3社共同で、従来ターンダウン比2.5:1を10:1へ高ターンダウン化した高効率貫流ボイラを開発。平成23年4月から販売しています。
    蒸気負荷が定格の10%になるまでバーナを停止する必要がないため、運転と停止の繰返しによるボイラ運転効率の低下を最小限に抑えることができます。また、潜熱回収技術により、運転負荷全域で101%~102%のボイラ効率を実現しています。

    ヒラカワ製 2.5t/h蒸気ボイラ

  2. (2)蒸気発生量800kg/h、1000kg/h、1200kg/h蒸気ボイラの高効率化
    三浦工業とガス3社共同で、従来ターンダウン比2:1を4:1へ高ターンダウン化した高効率貫流ボイラを開発。平成24年2月から販売を開始した800kg/h、1000kg/hタイプに続いて、平成25年4月より1200kg/hタイプの販売を開始。
    蒸気負荷が定格の25%になるまでバーナを停止する必要がないため、ボイラ運転効率が従来機より約1%~6%向上し、ランニングコストを低減するとともに、環境負荷低減に寄与することができます。

    三浦工業製 800kg/h蒸気ボイラ

  3. (3)蒸気発生量160kg/h蒸気ボイラの高効率化
    (株)サムソンとガス3社共同で、従来ターンダウン比1:1(ON-OFF二位置制御)を2:1へ高ターンダウン化(三位置制御)した高効率貫流ボイラを開発。平成25年8月から販売しています。
    蒸気負荷が定格の50%になるまでバーナを停止する必要がないため、ボイラ運転効率が従来機より約7%向上(50% 負荷時)し、 ランニングコストを低減するとともに、環境負荷低減に寄与することができます。

    サムソン製160kg/h蒸気ボイラ

    ※ボイラ運転効率とは実運用時の負荷変動によるボイラの運転、停止を含めた長時間使用での総合的なボイラ効率です。

  4. (4)蒸気発生量1000kg/h蒸気ボイラの高効率化
    日本サーモエナーとガス3社共同で、従来ターンダウン比2:1を4:1(100%-50%-25%-OFF)へ高ターンダウン化し燃焼四位置制御方式を採用した高効率貫流ボイラを開発。平成27年7月から販売しています。
    蒸気負荷が定格の25%になるまでバーナを停止する必要がないため、ボイラ運転効率が従来機より最大6%向上しています。簡易貫流ボイラとして燃焼四位置制御方式を採用したのは日本で初めてとなります。

    ※ボイラ運転効率とは実運用時の負荷変動によるボイラの運転、停止を含めた長時間使用での総合的なボイラ効率です。

    日本サーモエナー製1000kg/h蒸気ボイラ

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